UDF2.5/UDF2.6ファイルシステム「UDF2.5ファイルシステム」

DVD/BD用ファイルシステムはそれぞれ規格団体で決められており、仕様はUDF2.0、UDF2.5のsubsetとなっています。
株式会社トレンディ(以下トレンディ)はUDF2.5をベースとしたファイルシステムを開発しました。
トレンディはこれまで独自に作成したDVD-RAM、DVD-RWのUDF2.01準拠のDVDレコーダ用のファイルシステムをベースに、DVD/BD用のファイルシステムを組込んだUDF2.5ファイルシステムを提供を行っていました。
このファイルシステムの用途としては、DVD/BDプレーヤ、DVD/BDレコーダ、UDF2.5の機能を取り入れたセットトップボックス、HDDを接続したTV等への組込みが考えられます。
また、DVD/BDのフォーマットだけではなく、DVD/BDレコーダのHDD用フォーマットにも対応しています。従来のDVDのフォーマットでも問題なく
利用可能です。ファイルシステム互換性等の問題もすでにクリアしているため、ファイルシステムのテストにも時間が多くかかりませんので開発の効率化を図ることができます。

DVD/BDのメディアの種類は DVD-R、DVD-RAM、DVD-RW、DVD+RW,+R、BD-R、BD-RE の6種類があります。
メディア毎に、それぞれフォーマットが決まっており、録再DVD/BDレコーダではその規格に則ったフォーマットで読み書きを行っています。一般的にはUDFフォーマットと言われていますが、実際にはUDFフォーマットのサブセットに相当します。
大きく分けて、Video(V), +VideoRecording(+VR), VideoRecording(VR)の3つのフォーマットが存在します。Vフォーマットと+VRフォーマットはUDF1.X系のDVD Videoフォーマット(もしくは互換のもの)で、VRフォーマットはDVD-R,DVD-RW, DVD-RAM,BD-R,BD-REで使用されているフォーマットです。
ところがVRフォーマットは、実際にはメディアごとに細かな部分で異なっています。
異なっている部分の例としては、DVD-RW,DVD-RAMのメディアの差異でディフェクトマネージメントをドライブ側で行うのか、ファイルシステム上で行うのかが違っています。
したがって、DVD/BDレコーダでは、ファイルシステムを単純な、UDFファイルシステムと表現するのは正確ではありません。基本的には、DVD-R/VRファイルシステム、DVD-RAM/VRファイルシステム、DVD-RW/VRファイルシステム、BD-R/VRファイルシステム、BD-RE/VRファイルシステムと
表現する必要があります。このファイルシステムでは厳密な点をすべて考慮に入れて作成しています。

機能

このファイルシステムドライバの基本的な機能としては、DVD-R/VRファイルシステム、DVD-RAM/VRファイルシステム、DVD-RW/VRファイル
システム、BD-R/VRファイルシステム、BD-RE/VRファイルシステム、HDD用ファイルシステムドライバを提供してきました。
このファイルシステムには、トレンディが録再DVD/BDレコーダのファイルシステム開発を1998年から行ったノウハウがすべて入ったものとなっております。このファイルシステムは、OSのファイルシステムのAPIの形式ではなく、ライブラリの形で提供してきました。
このライブラリはファイルシステム固有なパラメータ等がありますが、一般的なファイルシステムAPIと似たAPIとなっています。

DVD-RAM/VR, DVD-RW/VR, HDD/VRの位置図付け

アプリケーション(Navigation)
アプリケーション(機能)
DVD-R/VR、DVD-RAM/VR、DVD-RW/VR、BD-R/VR、BD-RE/VR、HDD/VRファイルシステム
ATAPIドライバHDDCドライバ他ドライバ(OS等含む)
ATAドライバ
ハードウェア(DVD/BDドライブ、HDD等)

このファイルシステムは、青色部分のみの提供となります。

特徴

互換性

DVD/BDレコーダにはメディアの互換性が重要です。

対応メディア

DVD-R/VR、DVD-RAM/VR、DVD-RW/VR、BD-R/VR、BD-RE/VRそれぞれのファイルシステム以外に、DVD-RAM/VRと近いHDDの
ファイルシステムも利用でき、HDD用にtuneしてあります。

アーキテクチャ(※1)

unified memory アーキテクチャ以外に、内部memory/外部memoryという2つのメモリがあるアーキテクチャでも対応可能です。
(※1)あらゆるアーキテクチャに対応している訳ではありませんのでご了承ください。

CPU非依存

CPUのendianは、little endian,big endianどちらもコンパイル時に指定することで変更可能です。
ただし、DVDや、HDDの大容量を考えますと、32bit以上のCPUの計算性能は必要です。

OS非依存

OSのファイルシステムAPIに縛られていないため、ほどんどのOSで利用可能です。

記述言語

記述言語はC言語を使っています。よって、いろいろな開発環境でポーティングを行い易い形になっています。
また、内部処理に浮動小数計算をおこなっている部分がありますので、CPUもしくはライブラリの形で浮動小数計算ができる必要が
あります。

提供形態

  • DVD-R/VR、DVD-RAM/VR、DVD-RW/VR、BD-R/VR、BD-RE/VR、HDD/VRファイルシステムプログラム
  • アーキテクチャやOSに合わせたカスタマイズ

ファイルシステムAPIの抜粋

mount, unmount, open, close, streamReserve, reserve, read, write, erase, del, mkdir, seamless, sync等


その他のカスタマイズ例

  • 製品性能の評価や性能が出ないなどの調査も行います。
  • 開発用テストディスクの作成も行います。
  • DVDの修復も行います。
  • DL(Double Layer)にも対応しています。
  • DVD Forumでも販売されているUDFのファイルシステムのverifierを持っていますので、
    ファイルシステムの規格に合うかどうかのチェックを行うこともできます。

トレンディのDVD/BDに関する実績

トレンディは1998年からDVD-Videoの開発、1999年からDVDハイブリッドレコーダのファイルシステム、2002年からDVD Multiハイブリッドレコーダレコーダのファイルシステム、2012年に監視カメラ向けレコーダシステムにおいて全BD/DVD対応のファイルシステムを開発しました。
2005年・2006年、トレンディは東芝の HD DVDタイトル制作ツールの開発に協力しました。UDFのファイルシステムにも10年以上の歴史があり、プレーヤ・レコーダなどのAV家電のみならずPCの光ディスクドライブのファイルシステムに取り組んできました。