石田まことのWEBマーケティング論 第6回

第6回  データを知ることは、自分を知ること。

前回のコラムでは、Webマーケティングを成功させる上で重要な、データの活用についてお話ししました。今回は、データをどこから活用していくか、まず概念についてお伝えします。

■ 2種類のデータ活用を覚えましょう。

 データの活用には2つの種類があります。

 1つ目は現状分析としての、データの活用です。
ネットショップでのデータの活用であれば、売れた商品の個数や金額、購入者における男女の数や比率、商品の配送先の住所とその統計、などなど様々です。 データを現状分析として見ると、「今、自社のサービスはどのような状態にあるか」が見えてきます。

 2つ目は成果分析としての、データ活用です。
Webマーケティングでデータを活用する場合、前者の現状分析としての活用よりも、こちらの成果分析での活用の方がより重要になります。
成果分析でのデータ活用は、サービスの現状を見るのではなく、サービス自体もしくはユーザに対しておこなった施策が、果たしてどれほどの効果があったのか、それを知るところに活用の本質があります。

■ Webマーケティングが変えた、分析の原則

 これまでのビジネスでは、日々の施策に対するデータでの検証は、ある一定のスパンでしか行うことができませんでした。大きな規模の企業でなければ、データの取得や集計の仕組みを整えられなかったからです。ですから、データの数字が上がったとしても、効果があった施策を明確に判断するのが難しく、極端にいえば意思決定を「経験と勘」に頼らざるをえませんでした。

 しかしWebのマーケティングは違います。
「どんなお客さまが、どんな経路からサイトにやってきて、どのページを見て、どのサービスを利用したのか」。小学生でも中学生でも、誰でも簡単にデータを見ることができます。
様々なデータがリアルタイムに落ちてくるわけですから、サービスに対して行った施策が効果があったか無かったか、「経験と勘」ではなく、「客観的な数字」として判断することができるようになったわけです。

■ 今日頭に入れておく、3つのポイント

今回のコラムを読んでいただいた方に、知っておきたいのは以下の3つです。

・データ活用には現状分析と成果分析の2種類があるということ。
・Webマーケティングのようにリアルタイムにデータが取れる環境では、成果分析がより重要になること。
・成果分析を徹底して続けていくと、自社のサービスを「客観的な数字」として高度に判断できるようになること。

まずこの3点をしっかりと頭に入れておいてください。

プロフィール
早稲田大学第一文学部卒業後、インターネット通販ベンチャーに6年間勤務。
ネットショップ店長として、仕入・マーケティング・システム構築・物流などを1人でこなし、1年間で売上7,000%アップ、年商3億円を実現。ヤフーショッピング貴金属カテゴリ全国第一位を獲得。
インターネット通販を中心としたマーケティング支援/マーケティング人財の育成を目的とした株式会社ECマーケティング人財育成を設立。
有力EC/Web企業を支援。船橋情報ビジネス専門学校特別講師など人材育成にも注力。
その他、商工会議所での講演、新聞やWebでの連載など。

[会社名]
株式会社ECマーケティング
人財育成

[URL]
http://www.ecmj.co.jp/