石田まことのWEBマーケティング論 第7回

第7回  「競合分析」は流れを読むことが大切

日々の業務の中で、競合企業の商品やサービスの分析をしていると思います。
今回のWEBマーケティング論では、表側だけでなく裏側を見る「競合分析」を学びましょう。

■ 「競合分析」と聞いて、考えるのは?

 「競合分析」と聞くと、みなさんはどのような方法を思い浮かべるでしょうか。

 実店舗の競合であれば、実際に実店舗に出向いて、そのレイアウトやデザイン、店員の対応、そして取扱っている商品をリサーチしてくる。ネットショップであれば、ウェブサイトを閲覧し、商品の構成や販促企画をチェックする。そして、実際に商品を購入し、その配送や梱包のサービスを調べる。また、カスタマーセンターに電話をかけて、対応を伺う。

 実店舗やネットショップといったC(コンシューマー)向けのサービスではなく、B(ビジネス)向けのサービスについてならば、ホームページを閲覧したり、サービスサイトを閲覧したり、はたまた、サービスの説明会に参加したりなど、いくつか方法があると思います。

■ マーケティングの原則に従い、「流れ」を読む

 インターネットの登場によって、競合の動きがより見えるようになりました。新商品、新サービスをウェブサイト上で発表したり、動画やソーシャルメディアを活用したPRを行ったりしている会社もあります。「競合分析」として、情報はキャッチしやすくなりました。しかし、その成果は一部公開されているもの以外に得ることができません。

 「競合分析」もマーケティングの原則に従って、その「流れ」を読んでいくことが重要です。ある一時点だけの情報を見て、「こんな商品が発売された」「このサービスがアップデートされた」と論じるのは、あまり意味がありません。

 「先々月はこの商品が発売された。先月はこの商品が発売された。しかし、今月は新商品の発売がなかった。来月は未定らしい」というように、情報の連続から「流れ」を読んでいくと、表側から見えない「競合の裏」の部分が見え隠れしてくるような気がしませんか?

 社員数がどのような流れで増減しているか。出店店舗数はどのような流れで増減しているか。サービス機能のアップデートはどのような流れで進んでいるか。すべて時系列で並べて、その変化を見ていってください。次第に、裏側の部分の予測がつくようになっていくはずです。

■ 同一期間同条件で情報を取得する

 さて、具体的な「競合分析」の方法です。「流れ」を読むためには、同一期間同条件で情報を取得し、比較していかなければいけません。例えば、毎週月曜日の朝に競合のウェブサイトを開き、そのトップページのキャプチャを残しておく。これくらいからの「競合分析」のスタートでも構いません。

 それを3ヵ月、半年と残しつづけ、そのキャプチャを印刷して、時系列に並べてみてください。競合が考えていることが、なんとなく見えてくるはずです。重要なのは、継続することです。

プロフィール
早稲田大学第一文学部卒業後、インターネット通販ベンチャーに6年間勤務。
ネットショップ店長として、仕入・マーケティング・システム構築・物流などを1人でこなし、1年間で売上7,000%アップ、年商3億円を実現。ヤフーショッピング貴金属カテゴリ全国第一位を獲得。
インターネット通販を中心としたマーケティング支援/マーケティング人財の育成を目的とした株式会社ECマーケティング人財育成を設立。
有力EC/Web企業を支援。船橋情報ビジネス専門学校特別講師など人材育成にも注力。
その他、商工会議所での講演、新聞やWebでの連載など。

[会社名]
株式会社ECマーケティング
人財育成

[URL]
http://www.ecmj.co.jp/